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附箋を剥がす(35)

毎日々々何だけれども、まだ続く、幸田文『ふるさと隅田川』(ちくま文庫)より。

方々の日傭とりに出て稼ぐのだが、そのをばさんはほかの日傭とりのをばさんたちと違つて、顔が陽に焼けていなくて白かつた。(「湿地」P128)


列叙接続の接続助詞「て」。

の漁を見に行くのである。東京から札幌・釧路・根室を経てノサップ岬を訪ね、北に進んで知床半島の漁場、羅臼といふ町へ行くのである。(「濡れた男」P149)


「しゃけ」はふつう、「鮭」を使うけれども、こんな字もあるんだな。

船がごめのそばを通ると、ごめはふはゝゝ浮いてゐるが、うす桃色の小さい脚がしきりに水を掻いてゐるのが透いて見えてゐる。かはいゝ。(「濡れた男」P160)


別に何ということもないのだけれども、「かはいゝ」という表記が何だか妙に可愛らしい感じがして、メモしておくことにした。SNSで使ったりしたら、存外流行るんじゃなかろうか。できれば句点付き「かはいゝ。」の形で。

さかなは暴れまへに食ひだめをしておいて安全な場処へ退避し、河水が気に入るやうに澄むのを待つて出て来る。だから暴れの最中とあとは釣れなくて、そのまへは釣れる。相当鉤の危険を経験してゐるはずの大魚でも、がめつて食はうとするのでついかゝつてしまふ。(「二百十日」P171)


「がめる」という動詞は知らなかったが、意味は、伝わって来る。

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